中1ギャップとは?

ずっと問題視されてきた、中1ギャップとは?

「中1ギャップ」を聞いたり、お子様のことで考えられたことはありますか?

中1ギャップとは、小学校を卒業して中学校へ進学した際、これまでの小学校生活とは異なる新しい環境や生活スタイルなどになじめず、授業についていけなくなったり、「不登校」や「いじめ」が起こったりする現象のことです。


国立教育政策研究所(文科省)の考え方

いじめが中1で急増するという当初の認識が正しいのか、不登校の中1での増加にしても 「ギャップ」 と呼ぶほどの変化なのかについては、慎重であるべきです。なぜなら、必ずしも実態を表現しているとは言い切れないからです。とりわけ、その語感から、中1になる段階で突然何かが起きるかのようなイメージや、学校制度の違いという外的要因が種々の問題の主原因であるかのようなイメージを抱くと、問題の本質や所在を見誤り、間違った対応をしかねません。 便利な用語を用いることで、目の前で起きている問題を理解した気になってはなりません。実際に何が起きているのかを冷静に捉えることから始めましょう。

中1ギャップの真実より引用/国立教育政策研究所(文部科学省国)

あれ・・・

この記事を書く私も、中1ギャップは実際に現場で起きる問題として学校生活を過ごした記憶が沢山あります。

先生の指導が強くなり、強制的な言葉が増え、高圧的な態度をとる年配の先生、半ば強制的な部活への入部、信じられないレベルのブラック校則問題など中学生時代を振り返ればたくさん出てきます。ただ、生徒指導リーフを引用した為、文科省の見解と実際の現場ですでにギャップが起きているのも少々納得です。

実際は望まないことが沢山おきている

NHKは2019年、前年度に不登校または不登校傾向があった中学生に直接アンケート調査をしました。同様の調査は文部科学省も実施していますが、回答者は教員です。NHKは比較ができるよう、項目を文科省調査に揃えて実施。すると不登校の要因を尋ねた設問で大きな差が出ました。

不登校の要因が「家庭」にあるとする割合は文科省調査が30.8%だったのに対し、NHK調査では21%。一方、学校での「いじめ」は文科省が0.4%だったのに対してNHKは21%と大幅に上回り、また「教員との関係」も文科省の2.2%に対してNHKは23%でした。

また、「いじめ」についても、文科省調査では0・4%となっているが、NHK調査では21%だった。文科省が把握している以上に、「教員との関係」や「いじめ」などを不登校の要因として挙げる子どもが多いことがわかる。

そのほか、「部活動」18・3ポイント、「決まりや校則」17・5ポイント、「進路」15・1ポイント、「学業」14・2ポイントと、NHK調査の結果が文科省調査のそれを上まわった。

一方、逆の結果が出ている項目もある。不登校の要因に「家庭」を挙げている割合は文科省調査では30・8%であるのに対し、NHK調査では21%と、文科省の調査結果を下まわった。

中学生に直接聞いた不登校理由、国の調査と大きな隔たりより引用/不登校新聞

「中1ギャップ問題」は定期的に開催される、調査研究協力者会議(文科省)の中でも、必ず出るキーワードです。

現場の先生も問題意識を持っているはずですが、強烈な村社会の学校内では、いわゆる慣例を問題視するマネジメントは行われていないのが私見となり、地方へいくほどその印象を強く持ちます。不思議です。

発達障害児における中1ギャップを乗り越える方法とは?

先生側からすれば、指導や指示に従わない児童生徒のことが気になり、不適切な行動をやめさせようとして、どうしても注意や叱責が多くなり、児童どうしのトラブルへの対処においても、行動面に問題を抱える児童生徒を「悪い」と見なしがちになるのが、とてもリアルだと思います。

しかし、学級の行動ルールが分かりやすく示されていて、児童たちが落ち着き安心して過ごせる学級の雰囲気である、という環境面の整備が行動支援の前提条件として不可欠。その上で、行動面につまずきを示す子供の「困った所」ではなく、「よい所、得意な所」に目を向け、「よい所、得意な所」を生かすようにすることだと思います。

行動面に問題を抱える児童が学級のムードメーカーになることも多々ありますし、自分の「よい所、得意な所」を認めてもらえれば、児童も教師の助言や指示を非常に受け入れやすくなります。

先生&学校側が「あの子さえ指導していればいい」「困った行動を何とかなくしたい」という思い込みから脱却し、周囲の環境を考慮しつつ、「よい行動」を育てていくアプローチが重要だと言えますが、残念ながらそう簡単に変われる公立校は皆無だと思います。

前述の通り、学校が時代変化に適して変化/適応していくことは考えにくいです。発達障害の有無に関わらず、たくさんの子供たちが4月からは中学校へ毎日通わなくてはなりません。

小学生のころから、適切な自己肯定感を所有し、自らが選択していくことが楽しくなる療育をキッズルームでは体感できます。

大切なお子様の中1ギャップの影響を受けないように、近い未来を私たちと考えませんか?